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両丹日日新聞2009年12月21日のニュース

うそで固めた物語はアカン 井筒監督がトークで

映画の制作手法やリアリズムについて語る井筒監督 府内で唯一となっていた福知山市の勤労市民大学が閉校した。最後を飾って20日、福知山市民会館ホールで映画監督の井筒和幸さんを迎えての講演会があり、「映画から見た社会」を題にトークショー形式で井筒監督が様々に持論を展開した。
 

 奈良県出身で、高校のころから映画作りを始め、「岸和田少年愚連隊」「のど自慢」「パッチギ!」など数々の話題作を手がけてきたほか、テレビなどで辛口コメンテーターとして人気を得ている井筒監督。福知山でもざっくばらんに、本音を次々と吐き出しながら「リアリズム」論などを繰り広げた。
 
 最初は、東京都が五輪招致活動にかけた巨額経費から切り込み、10分のPR映像に5億円かかったとする点について「映画の長さにしたら60億円。ハリウッド作品並みだ。相当な無駄遣い。一般に公開もされておらず、どうせずさんなものですよ」としたうえで、都庁近くの公園に炊き出しを求める人の行列ができた昨年末の例を挙げながら、ほかのことに予算を使うべきだと訴えた。
 
 最近公開されているパニック映画の話題からは、「映画は建設的なものばかりではない。破壊の極め付きを見せられて興奮する装置でもある。悪夢を見ることによって、生きていることの安定さ、穏やかさを返し見る装置でもある。こういう景気の悪い時ほど、人は破壊する映画を見る」と説く。
 
 その上で、近年の映画は迫力が無くなったという。「30年ほど前までは映画館で観客が腰を浮かしてた。それが今はスクリーンで隕石が飛んできても客がよけない」。その理由は「映画がコンピューターグラフィックス(CG)になったから。昔は実写だったから腰を浮かすほど迫力があった。目の前にあるものが立体なのか平面なのか、視神経は見抜くから、CGでは恐怖を味わえない」という。
 
 撮影方法だけでなく、作品そのものにもリアリズムを求め、一つのエピソードとして、俳優の西村晃さんが語った特攻隊の体験談を紹介した。
 
 別れの杯を交わして出撃する特攻隊の姿が記録映画でよく写されるが、カメラが止まった後には、杯を交わした残りの一升瓶を持たせて飛行機に乗せた。酒どころか、ヒロポンを打ちながら飛ばせた。そうしなきゃ人間は死ねない。そういう映画を撮ってくれ−と西村さんに言われた。
 
 「いつまでも美談を通しているようではだめです。うそで固めた物語を作るより、自分はなぜ福知山で暮らすのかといったような、平場の中から出てくる、地域や社会のリアリズムにあふれた中から出てくる物語を作らなアカン」
 
 
写真=映画の制作手法やリアリズムについて語る井筒監督
 
 

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