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両丹日日新聞2009年10月20日のニュース

台風23号から5年:<5>堤防をつなぐ

石碑が建つ由良川堤防。点から線となる日を住民は待つ 旧大江町役場を望む由良川堤防の上に、東屋と石碑が建っている。碑文は「雨過天晴」の文字と、当時の伊藤堯夫大江町長の名。1953年の「28水」から半世紀を迎え「悲惨な災害を風化させず、後世に引き継ぐ」ことを目的に国土交通省福知山河川国道事務所が、2004年春に建立した。その年の秋、大江町役場は水没。町は大きな被害を受けた。
 

 大江町域の堤防は部分、部分で築造が行われて「点」に過ぎず、効果が生まれる「線」になっていなかった。
 
 現在も、まだ線になりえていない。それでも工事は、23号被災以後、急ピッチで進んでいる。
 
 住民念願の由良川河川整備計画ができたのは03年。川の両側に山が迫り、狭いまま河口に達する珍しい地形ということもあって、大江町と舞鶴市では集落部分を囲む輪中堤と、宅地のかさ上げで住民を守る方針が打ち出された。ただし、完成目標は30年後という「未来」。それが23号翌年の05年、由良川下流部緊急水防災対策が策定され、「おおむね10年間で完成」へと事業がスピードアップした。
 
 いま公庄、千原・尾藤、河守、南有路、北有路では用地買収と工事が進み、ほぼ4割が完成。三河、二箇では堤防(輪中堤)にするのか、宅地のかさ上げにするのか、地元と調整をしているところだ。福知山事務所で河川を担当する宇野孝一副所長は「堤防で道路を寸断したり、なるべく農地もつぶしたりせず、住民のみなさんとも調整してベストな方法を探りたい」と話す。
 
 23号災害以後に見直されたものは、ほかにもある。07年度から用語が全国で改められた。それまでの指定水位は「水防団待機水位」に、警戒水位は「氾濫注意水位」となった。
 
 音無瀬橋近くの福知山観測所では水防団待機水位が2メートル、氾濫注意水位が4メートル。これが5メートルになると「避難判断水位」となり、市は避難勧告を発令し、住民も自分で避難を判断してもらう段階。5・9メートルで「氾濫危険水位」。まさしく、危険な段階だ。
 
 「計画高水位」という用語もあり、福知山観測所では7・74メートル。堤防の高さ−と説明されることが多いが、実際の堤防の高さではない。河川整備事業の中で使う用語であって、避難などの判断材料には向かない。
 
 むしろ福知山事務所は「福知山観測所が市内の由良川全体の指標になるわけではなく、場所によって状況が異なり、早く危険度が増す地域がある」ことを強調する。必要最小限の荷物をまとめ、避難所まで移動する時間も考えると、早い段階から行動を起こしておく必要もある。
 
 水害の際には由良川ばかりに目を奪われがちだが、福知山の場合は市街地や集落の中を流れる小さな河川、用水路も危険だ。23号の時には市街地や郊外の各地で道路が水に沈み、山間部では小川が土砂を伴い暴れた。その後も、台風や大雨で水路があふれ、被害が出るケースが市内で何度も起きている。
 
 「工事が進んでいるから」「川から離れているから」「まだ水位が低いから」といった油断をしないこと。油断こそが大敵だと、23号が教えてくれたように思う。
 
 
写真=石碑が建つ由良川堤防。点から線となる日を住民は待つ

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