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両丹日日新聞2009年4月28日のニュース

「借り物ではなく自分の言葉を」 城下町シンポで金田一秀穂さん

0428kindaiti.jpg 全国城下町シンポジウム(福知山青年会議所主管)のメーンフォーラムとして、言語学者の金田一秀穂さんの講演会が、福知山市厚生会館で開かれた。金田一京助氏、金田一春彦氏を祖父、父とする国語学者一家の3代目で、テレビでも人気の講師。「世界一受けたい日本語授業」のテーマ通り、ゆかいな語り口で縦横に日本語の楽しさを説き聴かせた。
 

 大学教授として接している学生たちの言葉の乱れを嘆いたあと、「しかしコミュニケーション能力は私たちの若い頃よりはるかに高い」との見方を示す。
 
 自分たちが若い頃は教授が来なさいと言っても研究室へは行かなかったが、いまの子たちは本当に遊びに来る。外が暗くなってきて「そろそろおなかが減ってきたな」というと学生たちは、すかさず「あっざーす(ありがとうございます)」
 
 「(断ることができない)すばらしい依頼の仕方だ」と会場を笑わせた。
 
 「それにしても『あっざーす』とは、なんだ。『ありがとうございます』という立派な日本語があるではないか」と、再び嘆いたあと、「しかしこれも仕方ない」と続ける。日本語のあいさつは、短くなる傾向にあるものだという。
 
 体育会系クラブや応援団で使われる「オス」も、もとは「おはようございます」であり、「押して忍ぶ『押忍』という文字は、残念ながら後から付けられたものです。『あっざーす』に腹を立てるなら、まず『オス』に文句を言わねばならない」。すし屋も『らっしゃい』だからいいのであって、『いらっしゃいませ』なんて言われたら刺し身が生ぬるそうで嫌だ。「それでも私たち世代は、どうしても若者言葉が嫌だ。どうして腹がたつのか」。それは、言葉の変換が自分たちのアイデンティティーを汚しているように感じるからだという。
 
 ピカソやベートーベンのような天才でない限り、人は言葉でしか自分の思いを表現できない。「言葉で自分」を作り、「私たちは日本語でできあがっている」。なのに言葉は時代とともに変わる。すると「自分」を作っている柱や壁が汚されたように思う。だから言葉の変化が許せないのだ−と説明していった。
 
 こうした言葉の変化は、何代も続いてきたことであり、若者言葉を嘆く団塊の世代も同じ。「すごくいい」という言葉は団塊の世代が使いだしたが、「すごく」は元は悪いことにしか使われなかった言葉だと、その例を挙げた。
 
 そのうえで、「若者が若者相手に若者言葉を使うのは、かまわない。十分通じ合っているようだし、若者たちは楽しいと感じているからだ。ただし『相手』が決定要件。若者以外に使うのはルール違反」だと注文をつける。
 
 最後は野口英世の母・シカさんの「はやくきてくたされ。はやくきてくたされ。いしよ(一生)のたのみて。ありまする」とする手紙を例に「日本語としてはおかしいが、自分の言葉だから力がある」と説明。一般市民と並んで耳を傾けた青年会議所メンバーらに「新聞などで聞きかじった借り物の言葉でなく、自分の中の言葉を使いなさい。まちづくりも同じです」と訴えた。
 
 全国城下町シンポジウムは、城下町にある各地の青年会議所メンバーが集まり24日から26日まで福知山市内でフォーラムや交流会などが行われた。
 
 
写真=若者言葉を分析しながらゆかいに語る金田一秀穂さん
 

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