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両丹日日新聞2009年2月11日のニュース

伝統支える仕事−と、わら縄作りを家業に30年 三和の田尻さん

0210tajiri1.jpg 1999年から始まった京都・西本願寺の御影堂平成大修復工事が、3月末で完了する。工事が始まって間もないころ、福知山市三和町友渕の田尻太さん(57)は、300年前の壁から出てきたわら縄を持ち込まれた。同じ物を−と要望され、それに応えた。
 

 漆喰(しっくい)壁の下地を編んだモチ米のわら縄で、色はあせていたが、腐らずに原型をとどめていた。消耗品として扱われるわら縄だが、ひっそりと伝統建造物の壁を支えてきたことに感動を覚えた。
 
 24歳のとき、両親が創業した製縄所を継いだ。こつこつとした作業を積み上げる仕事が性格にあった。以来30年以上、業界の浮き沈みを見ながら、「質が求められる時代が来る」と信じ、家業を守ってきた。
 
 家業を継いだころ、ナイロン製のテープやロープに押され、わら縄の需要は激減。多くの同業者が廃業し、産地と呼ばれた地域も消えていった。現在、府内で操業するのは田尻さんを含め2軒だけとなった。
 
 市場の多くは、安い中国産が席巻しているが、造園業の冬の松の枝つり、祇園祭の鉾(ほこ)建てなど、粘りと強度のある品質のよい国産のわら縄が求められている。
 
 わらは一本ごとに太さが違う。縄ない機にかけて編んでいくが、均一の太さにするのが難しいという。機械メーカーが10年前に廃業してからは、独学で機械設計を学び、工作所に部品発注して改良を加えてきた。
 
 祇園祭の鉾建てに使うわら縄は、10年ほど前から大量注文を受けている。昨年、世界遺産の飛騨白川郷から、合掌造りの屋根吹き替えに使うわら縄の注文があった。切れにくい丈夫で長持ちする縄を−と。
 
 西本願寺御影堂修復工事への納入も、品質を追い求め続けてきた努力の成果だった。数百年後の修復工事で、自分の作った縄が後世の人の目に触れる。職人冥利(みょうり)に尽きる仕事となった。
 
 「わら縄は割に合う商売ではありませんが、伝統の一部を支える仕事をさせてもらっていることが、ささやかな誇りです。体が続く限り、家内と2人で頑張っていきたい」
 
 

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