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両丹日日新聞2008年7月12日のニュース

大江山に響く酒呑童子太鼓 大人から子どもへ伝える技

0712syutendouji.jpg 鬼伝説で有名な大江山のふところ深く抱かれた福知山市大江町仏性寺。ここには、住民たちが守り続けている芸能がある。鬼の面をつけ勇壮に音色を響かせる「酒呑童子太鼓」。たたき手の数は少なくなっているが、伝統の音色が大人から子どもたちへしっかりと受け継がれている。
 

 かつて仏性寺地区には、河守鉱山があり、多くの人たちが山の仕事に従事したが、閉山後は人口が減少。そんななか、1983年に地元の人たちが村おこしになればと、始めたのが酒呑童子太鼓だった。
 
 当時は消防団員を中心に25人で始めた。他の太鼓団体の指導を受けながら曲を作り上げていった。穏やかな感じで始まり、次第に激しいリズムへと変わる。躍動感あふれる太鼓で、演奏時間は12分ほど。
 当初は大人数で始めたが、じわじわと過疎化や少子高齢化の波が押し寄せ、太鼓メンバーの数が年々減っていった。現在は大人5人、小、中学、高校生6人の計11人で活動する。
 
 現メンバーの中で一番活動歴が長い中嶋勝樹さん(50)は結成4年後に入会。長年、酒呑童子太鼓を支えてきた。「当時はメンバーの中では一番年下で、丁寧に教えてもらいました。人数が多かったので、古タイヤで練習した記憶があります」と振り返る。
 
 毎週金曜日夜に地区内の物成公民館に集まり、練習を続ける。太鼓は地元神社の練り込み太鼓で使っていた1基と結成時に区などの協力で購入した2基の計3基を使う。地打ちや左連打、両手連打、3人打ち、5人打ちなどをしていく。
 
 練習場は、元物成小学校体育館。周囲を山や川に囲まれた風光明美なところで、静かな山間に太鼓の音色を響かせる。
 
■他地区からも参加
 
 メンバーは仏性寺地区在住者だけではない。内宮から参加している美鈴小学校4年の糸井創亮君(9)は今年冬に入ったばかり。「太鼓は難しいけど、おもしろい。みんなが優しく教えてくれる。中学生になっても続けたい」という。このほか毛原からも高校生が参加する。
 
 糸井君と同じ美鈴小4年の岩間駿君(10)は一昨年秋に入会。兄で大江中学校3年の丈君(14)は、中1から始めたが、小さいころから酒呑童子太鼓の音色を聞いてきたため、すぐに体にリズムが染み付いた。「自分でも上達したなと思います」という丈君。小学生ら後輩の指導役でもあり、「みんなうまくなりました」とメンバーたちの頑張りをたたえる。「お兄ちゃんみたいにうまくなりたい」という駿君の、あこがれの存在だ。
 
 もう一人の中学生、臼井強君(13)=大江中2年=は丈君に誘われて入った。「普段から音色を忘れないようにするため、声で拍子をとったりしています。きれいな音や激しい音を出して、太鼓のおもしろさを伝えたい。できるだけ続けます」
 
 大人のメンバーの中には、始めて間もない人もいる。3年前に仏性寺に引っ越してきた馬嶋聖実さん(38)。「おもしろく、ストレス発散になります」。現在2歳の子どもがいて、「大きくなったときに教えられるように、しっかりと覚えたい」という。
 
 今のところ公演は地元中心で、酒呑童子祭りや地元の敬老会、大江山グリーンロッジでの同窓会などで披露している。公演の時は子どもたちが鬼面をつけ、わざとボロボロにした衣装を着てたたく。鬼面を着けての演奏は、身振りも大きくなり、さながら山から下りてきた酒呑童子のように「凄(すご)み」を増す。
 
 丈君と駿君の父親、惠一さん(42)は26歳でUターンした時に近所の人に誘われ、たたくようになった。2人の息子たちと一緒にできることを何よりも喜んでいる。「将来、古里を離れても盆や正月帰って来た時にたたいてくれればうれしい」と話す。
 
■様々な太鼓大会で披露したい
 
 中嶋さんは「わたしたちは1、2年かけて覚えていきましたが、子どもたちは覚えるのが早く、2カ月ほどでマスターしてしまいます。頼もしい限り」と話す。今後は、近年出演することができなかった中丹和太鼓フェスティバルや様々な太鼓大会でも披露したいと願う。そのためには「持っている技術をすべて教えたい」という。惠一さんも「しっかりと子どもたちをサポートします」と力を込める。
 
 「絶やさず、ずっとたたき続けたい」。太鼓の音色と同様に、メンバーたちの願いは強い。
 
 
写真=鬼面を着け、衣装を着てたたく子どもたち。その姿はさながら酒呑童子のようでもある
 
 

    

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