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両丹日日新聞2008年1月 4日のニュース

農業をエンジョイ! 京の伝統野菜エビ芋にほれ込み就農

0101nou1.jpg 「大江で作った芋はおいしい。だから自分でも作ってみたい」と、農業の世界へ飛び込んだ青年がいる。「農作業はたしかに疲れる。だけどそれはスポーツをした時に感じるのと同じ、心地よい疲れだ」といい、充実した毎日をブログにしてインターネットで公開している。タイトルは「エンジョイスポーツ野良仕事」。気負わず、だけど農の基本は外さず。地域にとけ込みながら大地に夢の根を広げる。
 

■ 大江町千原の吉川直人さん
 
 吉川直人さん(37)は京都市内で生まれ、父の仕事の関係で九州などを回り、滋賀県長浜市で就職。独立してインターネットで商品を売ろうと準備を始め、「おいしい物が売りたいな」と考えた時、福知山市大江町千原で京の伝統野菜・エビ芋を作っている伯父の松田利勝さん(65)を思い出し、畑を訪ねた。
 
 それまで野菜といえば、スーパーの店頭にいっぱい並ぶ商品のイメージが強く、たくさん取れるものだと思っていた。ところが実際に収穫現場を見ると、量が少ないことに驚いた。「たくさん販売したくても、売るだけの量が作れない。なぜ?」。あれこれ思いを巡らすうちに農業への興味がわいた。
 
 由良川沿いの農地は豊かな土に恵まれ、エビ芋を作るには最適な条件。ここにベテランの栽培技術が加われば、おいしい芋ができるのは道理。エビ芋なら市場価値も高い。どんどんほれ込んでいき、「よし、売る量が無いなら、自分で作ってしまおう」という気になった。
 
■喜びの初収穫前に台風23号
 
 もともと凝り性で、困難なことほど挑戦してみたくなるたち。「大変だけど、良い作物が育つんだから、未来はある」。引きとめる家族を説得して、松岡さん方に移り住んだ。2004年夏のことだった。
 
 暑い盛り。汗を流して農地を掘り起こし、種イモを植えていった。そして収穫を楽しみに待っていた10月。台風23号が大江を襲った。「ここは洪水があるからとは聞いていたけど、まさかこれほどとは」。一面湖のようになった農地を、なすすべも無く眺めた。
 
 「農家にとって、自然災害がこんなにもダメージをもたらすものだとは思ってもいませんでした。その年の収入が無くなるだけじゃなく、翌年の作付け資金さえ断たれるんですもん」
 
 いきなり見まわれた苦難。それでも、へこたれているわけにはいかない。歯を食いしばって再起を図った。「2年ですね。マイナスだったのが、ようやく2年かけてプラスマイナス・ゼロの所まで戻りました。農業だってリスクが伴うのは当然。だからマイナスになったら挽回しようと頑張りもします。だけど洪水だけは勘弁してほしい。堤防を急いでほしいというのが切実な願いです」と訴える。
 
■最高のものを一つ作るより
■平均以上のものを多く

 
 いまは伯父たちと3人で、米3・5ha▽万願寺とうがらしをハウス7棟計10a▽エビ芋15a▽里芋20a▽小豆70a▽黒大豆20aを栽培。エビ芋と同じく京の伝統野菜として人気が高い堀川ゴボウ、京のブランド産品に指定されている紫ずきんも手がけ、作業は連日。初めの頃は体中がバキバキになった。暑さで、ふらふらにもなった。だが、それを辛いと思ったことはない。「させられてるわけじゃなく、自分がしたくてやってるわけですし。くたくたになりますけど、また明日も頑張ろかいやという気になります」という。
 
 栽培技術も身に付いてきた。言われた通りにやるのではなく、自分なりに考え、工夫を加えながらやっている。人それぞれにやり方や考え方があり、気候も年ごとに異なり、「これが正解」というものが無いのが農業の世界。ただ、基本となるツボだけは外さないようにしている。「1年に1回しか作れない作物だから、経験も年に1回しか積めない。貴重な経験を無駄にしたくないんです」。ツボさえ押さえておけば、あとは作物が教えてくれるサインを見逃さなければ、来年また一歩前進できる−というのが理由。
 
 ヨトウムシを手で取るなど、なるべく農薬を使わないように心がけているが、「何が何でも無農薬」と、こだわるつもりはない。「最高のものを一つ作るより、平均以上のものをたくさん作りたいんです。いくらいい物でも、一つしか出来なかったら一人しか喜んでもらえない。大勢の笑顔が見たいからね」。そう話す自身が、いつも笑顔。規模拡大をして法人化もと、大きく夢を広げる。
 
■ブログで日常を発信
■地域の話題や消防団活動も

 
 夜には自宅のパソコンから、農作業の合間には携帯電話を使ってブログに書き込みをする。
 
 「大きな堀川ゴボウが取れました。でかすぎますが香りたかく、柔らかいゴボウです」「今日は、小豆の株の切り倒し。今年は蔓化(まんか)で大変な作業となりましたが、来年はそれをふまえて改善を」。地域の話題や一昨年入った消防団の訓練の様子などもつづり、ネット上でもいろんな人との交流を広めている。
 
 
写真上=大江の大地で育った大きな堀川ゴボウを手に「ここはおいしい農作物ができます」と話す吉川さん
写真下=“先輩”として新規就農者に自身の経験を話す機会も出てきた。エビ芋を見せながら苦労、やりがいを熱く語る

    

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