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両丹日日新聞2008年1月 2日のニュース

デジカメ全盛の中でピンホール(針穴)カメラ作りに挑戦

0101pinhole1.jpg カメラと言えば、今やデジタルが主流の時代。一方で、レンズを使わず、1mmもないような穴から光を取り込んで写す「ピンホールカメラ」が人気を呼んでいる。各地で講習会が開かれ、じわじわと愛好者が増えてきた。仕事やプライベートではデジタルカメラを使っているが、デジタルの時代だからこそ、超アナログの「針穴写真機」で写真を撮りたいと、「名機」作りに挑んでみた。

■超アナログの「名機」を
 
 コンパクトカメラ、一眼レフ、大型カメラなど、普通はレンズが付いた機器で撮るが、ピンホールカメラは、その名の通り、レンズの代わりに針穴を開け、そこを通った光で感光材に像を写す仕組みになっている。
 紙箱や壺(つぼ)、フォトフレームなどでも作ることが出来る。市販のキットでの製作も可能だが、模型作りが得意で、綾部市天文館パオで様々な人たちに物づくりの楽しさをボランティアで教えている梅原隆さん(59)=同市上野町=に作り方の指導を受けた。(島田純吾記者)
 
 昨年9月にパオで開かれた講習会では、参加者たちが真剣な姿で取り組み、中には7時間以上かけて組み立てた人もいた。「なかなか1日では出来上がりませんよ」と梅原さんに言われていたが、自分だけなのでそんなに長くはかからないだろうと高をくくっていた。
 
 パオの会議室を借りて午後1時30分から製作。目の前には材料となる細長いバルサ材と設計図らしき図面が用意された。バルサ材は模型などでよく使われ、軽くて細工しやすいのが特徴で、梅原さんは試行錯誤の末、この材料が最適と選んでいる。図面に書かれているのは各部品の平面図。これも梅原さんがピンホールカメラを紹介する雑誌などを参考に、最も使い勝手のよい形になるよう寸法を割り出した。
 
 まずは各部品を切るため、鉛筆で線を引いた。バルサ材に定規で目盛りを付け、線を引こうとすると、梅原さんに「材料を立てて、三角定規を使うと、直線が引けますよ」と教えられた。
 0101pinhole3.jpg
 
 カッターで切る場合、横方向は目に沿って2、3回引けばいいが、縦方向の際は少し力がいる。0・5mmの誤差があれば、組み立てていく時に支障になると聞かされ、慎重になり過ぎて曲がってしまう。切り取った部品はやすりで切断面を直角にする。
 
■パーツの切断に1時間がかり
 
 順調に作業が進み、10個のパーツが出来上がったのは、作業開始から1時間後。「これだと早いほうです」と梅原さんから褒められた。設計図に材料を合わせてみると、どれもほとんど誤差なく出来上がっていた。思ったより時間がかかる。「きょう中に完成出来るだろうか」と不安がよぎる中、梅原さんが「難しい製作ほど、完成した時の喜びは大きい」と言われ、少し気が楽になった。
 
 切りとった材料の一つでスクリーンの枠を作る。幅の狭い枠で、余分な部分を切り抜く時に思わず力が入り、折れてしまった。しかし梅原さんは「大丈夫、よくあることです。接着剤で付ければなおります」と言う。一安心。穴開け作業も電動ドリル本体を使わず、ドリルの刃の部分だけを使って慎重に行った。
 
■模型製作を思い出しながら
 
 そして組み立て。切り取り作業をしている間に梅原さんが部品の接着部分をやすりで磨き、組み立てやすいようにしてくれていた。一つひとつ接着剤で張り付けていく。組み立てていくうちに少しずれがあることが判明。再度やすりなどで調節した。見た目は小さい木箱のようで、まだまだカメラらしくない。中に光が入らないように注意してくっつけた。内部は光の反射を抑えるため、黒色の塗料を塗る。小、中学生のころ熱中したプラモデル製作を思い出し、懐かしい気分になる。
 
 手で引き上げるシャッター部分も黒い厚紙でこしらえた。カメラの心臓部のレンズにあたる穴は0・2−0・3mmと小さく、細い針を付けた梅原さん特製の道具を使い、慎重に開けた。フィルムを送るための部品は飲料水のキャップを使用。ギザギザになっていて回しやすく、身近なものが役に立つ。
 
 ふた部分の内側もスポンジようの黒いテープを張り、本体部に合わせてみると、うまくはまった。「これで終わりですか」と尋ねると、「はい」という返事。「やっと出来た」。時計の針は午後6時を回っていた。製作には約5時間を要した。
0101pinhole4.jpg
 
 梅原さんの言葉通り、半日で仕上げるのは無理があったが、何とか形になった。おもちゃであっても精密機械。初めて作った人は、組み立てた時に5mmほどの誤差が生じると、梅原さんから聞かされていたが、「これだと上出来です」と太鼓判を押された。
 
■本物のカメラのように仕上がる
 
 後日、内部の塗装が十分でなかったため、カメラを梅原さんに預け、翌日取りにいくと、わが目を疑った。内部の塗装のほか、外側も部品などを取り付け、本物のカメラのように装飾してもらっていた。形としては整った。果たして実際に写るのか。名機で挑んだ。
 
 ピンホールカメラは、絵画のような淡い色合いの写真が撮れる。レンズがなく、絞りや露出のボタンもない。何かが写っていれば「大成功」と心に決めて撮影に出掛けた。
 
 フィルムは中判カメラで使うブローニーを使用。手持ちではどうしてもぶれるため、三脚を持参する。シャッター操作は針穴部分のレンズ前の覆いを上にスライドさせ、穴から光を入れたあと、覆いを下ろすだけ。
 
 シャッターの開閉時間は、晴天だと2、3秒。この日は今にも降り出しそうな天候だったので、5秒程度にする。被写体は福知山城、音無瀬橋などを選んだ。写したいところを針穴の位置に合わせて、念のため2枚ずつ角度を変えて撮った。
 
 昼間だけでなく、夜間撮影もし、室内で人物も撮ってみた。出来上がりのプリントを見ると、ピントは少し甘いが、温かみのある写真に仕上っていた。普段はデジタルの便利さに慣れてしまっているが、今まで見過ごしてきた、ゆったりとした時の流れが、小さな針の穴から見えた。
 
 
写真上=夜間、ライトアップされた福知山城を撮影。昼間の撮影と比べ、くっきりと写すことが出来た
写真中=内部は極めて簡単な構造
写真下=完成したピンホールカメラ
 

    

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