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両丹日日新聞2007年10月18日のニュース

【台風23号禍から3年】水は一気に押し寄せた 地元に残る鮮烈な記憶

1018kadono.jpg 「一気に水がつき、ほとんどの物は運び上げることができなかった。あんなに速く水位が上がるとは思ってもみなかった」。大水害から3年たった今でも、当時の様子が鮮烈な記憶として残る。
 
 福知山市大江町は、3年前の台風23号で多大な被害を受けた。舞鶴市と接する高津江地区でも由良川の増水で家屋が浸水した。長く製菓業を営む角野さん(51)の店舗兼住宅は、国道を挟んですぐそばを由良川が流れる。このため過去に何度も水害に遭った。

 50年以上前に開業した角野さんの父(76)は、1953年の台風13号による「28水」や59年の伊勢湾台風を経験している。13号台風の時、水は1階の天井を越したが、水位はゆっくりと上昇した。しかし23号台風は、あっという間に水が押し寄せた。
 
 それまでの水害だと、一度家財を片付けたあと、水位の状況を見ながら次の手段が打てた。だが、23号台風の水は、そんな予見の及ぶ範囲ではなかった。何度も水害に苦しめられた忠夫さんでさえ、異常なまでに速かった水位の上昇は驚きだった。
 
 角野さんは夕方、由良川の状況を見に行き帰ってきたところ、店舗前で転倒して頭にけがを負い、病院で手当てを受けた。帰宅したのは午後7時ごろ。国道が浸水し、もう少しのところで通行不能となるところだった。
 
 このころには家屋の浸水が進み、電灯もつかなくなった。浸水した1階では、水に浮かんだたんすの上にろうそくを立て、その明かりを頼りに荷物を運んだ。更に水位は上がり、午後9時には高台にある隣家に助けを求め、駆け込んだ。荷物もほとんど運び出せず、もちろん菓子を作るための機械もそのままの状態で逃げた。
 
 翌日昼前に店に戻ると、店内は泥まみれ。作業場に置いていたもちつき機や餡(あん)たたき機、オーブンなどは全部泥をかぶり、使いものにならなかった。「商売を続けていくことができるのか」。頭の中が真っ白になった。
 
■泥まみれになった製菓店内
 
 泥まみれになった店舗と家屋の後始末は、到底家族だけでできるものではなかった。親せきや地元の人たちが手助けしてくれた。水、タオル、食べ物の差し入れ。店の常連客からも心配や励ましの言葉をかけてもらった。
 
 休業は1カ月ですみ、新しい機械を導入し、再開することができた。店に来る客とは「大変だったね」「どこまで水がついた」などと、1年間は水害の話で持ちきりだった。
 
 「この前の水害は大江町全域が被害を受けた。うちだけじゃない。ほかの人たちも大変だった」と振り返る正博さん。水害でつらい思いをした半面、多くの人たちの温かい心に触れた。そのことが店を続けていく大きな力になっている。失ったものは多いが、得たものも大きかった。 (島田記者)
 
 
写真=角野さんの店舗では1階の天井近くまで水がきた

    

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