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両丹日日新聞2007年4月24日のニュース

動物との闘い幕開け 田植えシーズン−農家は電気柵で防御準備

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 大型連休を中心に、福知山市でも各地で田植えが本格的に始まる。農家にとっては、秋の収穫に向けた楽しみへの第一歩。だが、中山間地などではシカ、イノシシといった野生動物との闘いのシーズンの幕開けでもある。

 
 シカやイノシシが出没する地域の田んぼでは、ことしも電気柵(さく)の準備が進んでいる。道沿いに、山沿いに、金属製のポールを数m間隔で立てていく。1本のポールに付いている碍子(がいし)は4個、あるいは5個。ポール1本ごとに、碍子の高さを調整する。一番下は地面から10−15cmの高さ。
 
 次に、ポールからポールへ、碍子に巻きつけながら電気線を張っていく。細い電気線だが200m、300mも巻いたものを持つと、ひどく重い。一番下の碍子に巻いていくのは、ずっとストレッチ運動をしているようなものだ。
 
 細い線が、稲などの農作物を守るための、農家にとってはまさに命の綱。だが、その設置作業には大きな労力を費やす。道路沿いに張った電気線とポールは、冬場は除雪機械の邪魔にならないよう、すべて取り外す。そして田植え前に、再び張り直す。毎年、その繰り返し。連なる田んぼをすべて取り囲むため、地区の農家総出の一日作業だ。
 
 昔はトタンや網を張り巡らした。しかし、イノシシは地面を掘って侵入する。シカは1m以上の高さでも、いとも簡単に飛び越える。それに対抗するために、電気柵は有効な武器。流れる電気は、人が間違って触ってもまず大丈夫な程度だが、かなりの衝撃はある。
 
 イノシシを防ぐため、一番下の線はなるべく地面近くに引く。2本目、3本目と、次つぎに線を張り、最も上の線は、シカが飛び越えられないよう人の背丈ほどの高さにする。しかし、ときに何かのトラブルで電流が切れてしまうことがあると、動物たちはすぐに田んぼに入ってしまう。
 
 また、夏場は勢いよく伸びた草が下の線に触れ、電流が弱くなってしまうことがあり、線の下の草刈りは、農家にとって日常的な作業になる。電気柵が守っているのは、自分の田んぼだけではない。農作業の余分な労力と神経を使う心の負担は大きい。
 
 有害獣との闘いは、出没する地域の農家にとって「仕方がない」ことだが、農村が高齢化するなかで、こうした負担によって農業離れはますます進む。「野生動物との共生」という理想的な言葉では片付けられない現実問題がある。
  

写真:碍子に線を巻き、延々と張っていく。線の下の草刈りだけでも大変な労力だ


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