WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2006年5月17日のニュース

絶滅危惧2類のオキナグサ増やす 愛情注ぎ1千もの花

0517okinagusa.jpg
 福知山市牧のケアハウス、ニコニコハウス(大西英規施設長)に入居しているお年寄り3人が、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)2類に指定されている山野草「オキナグサ(翁草)」を増やし続けている。3年前に亡くなった仲間で、福知山山野草の会の元会員、故・大槻はつ江さんの遺志を受け継いでいるもので、愛情を注いだかいがあり、開花後に老人の白髪のような姿になる“幻の花”が今年は1000個以上も咲いた。暑さに弱く夏越しが難しいといわれるが、3人は絶滅から救えるように頑張りたいと張り切っている。

 オキナグサはキンポウゲ科の宿根草で、縁起の良い植物といわれる。日当たりの良い原野に生えることが多く、春に赤紫色の花を咲かせたあと、全体が白い綿毛で覆われる。その姿が翁の白髪のように見えることから名づけられた。乱獲が進んだことで自生地が年々減り、貴重なものになっている。

 これを知った大槻さんは、自宅で栽培を始め、5年前に同ハウスへ入居した際、23株の苗を持ち込んで移植した。その後、「兵庫県の神鍋高原にオキナグサを群生させたい」との夢を持ち、夏に日よけをかけるなど熱心に世話を続けたが、1年後に病に倒れ、志半ばで亡くなった。

 「花を愛する大槻さんの思いを守りたい」と、世話を買って出たのが村上ヒサさん(88)、横田正子さん(81)、住垣シカエさん(79)。花栽培の専門知識はないが、大槻さんが元気なうちは成長の様子を収めた写真を持って病院を訪ね、アドバイスを受けた。

 オキナグサが植わっているのは同ハウス横広場のフェンス沿い。3人は採取した種をまいて、草と間違えて引かないように割りばしを立てるなど慎重に株数を増やし、現在は約100株が並んでいる。今年は例年より1週間ほど遅く花を咲かせ、今は絹毛状となり、さらに柔らかな綿毛状になったものは春のおだやかな風を受けて飛んでいる。

 3人は「大槻さんは、オキナグサの花言葉と同じように純真な心を持った方で、一生懸命に花の世話をしていました。野山を歩くのが好きで、出かけるときは必ずオキナグサの種を持ち、根づきそうな場所にまかれていました。地味ですが育てるほどに愛着がわく魅力的な植物で、自生地を取り戻したい。種が少しならあるので、増やそうという気持ちの方があればご連絡ください」と話していた。

希望者には種を

 福知山山野草の会の藤田俊明会長は「全国的に自生地が減っており、市内には恐らく自生していないと思う。大槻さんは、栽培した山野草を福祉施設に届けるなど地道に活動され、秀でた栽培技術をお持ちでした。その技術と引き継がれた方の熱心な世話が功を奏して開花したのでしょう」と感心していた。
 種の希望者は同ハウス=電話(33)3770=へ。


写真:5年間で4倍に増えたオキナグサと、世話をしている人たち


株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

このサイトの正式公開は2000.6.20です

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ