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両丹日日新聞2005年12月16日のニュース

風になった先生に精いっぱいの歌声を 故・山口亨さんの遺志継ぎ福混定期演奏会

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 全国トップクラスといわれる京都の合唱のレベル向上に情熱を注いだ福知山淑徳学林理事長の山口亨さんが、11日、69歳で亡くなった。結成39周年を迎えた福知山混声合唱団の創立者の一人で、結成以来、常任指揮を務め、団員の指導を続けてきた。団員たちのショックは大きいが、18日に綾部市里町の府中丹文化会館で計画している定期演奏会は、追悼の思いを込めて予定通り開くことにした。「悲しみを乗り越えて歌い、合唱愛好者のすそ野を広げるという山口先生の遺志を受け継いでいきたい」と心を一つにしている。

 山口さんは1967年5月の同合唱団結成時に指揮者となり、2年後には府北部の合唱界の活性化にと、発起人の一人となって府下合唱団交歓演奏会を始めた。東京混声合唱団の指揮者、八尋和美氏とも交流を図り、同合唱団や京都市交響アンサンブルなどと共演。94年に福知山混声合唱団が府合唱連盟大賞(藤堂賞)を受賞したが、一昨年には京都合唱界発展への功績が認められ、個人でも同賞を受けた。

 福知山淑徳高校で音楽を教えていたころから、自らの「心の支え」だとして、合唱をこよなく愛した。雇われ指揮者ではなく自身も団員の一人で、いつもアットホームな雰囲気づくりを心がけ、福混ファミリーを築き上げた。合唱を通じて音楽の楽しさをより多くの人に伝えたいと、幅広いジャンルの曲を取り入れたステージづくりを心掛けた。合唱コンクールの神様といわれ、自身も指導を受けた指揮者、秋山日出夫氏の言葉「合唱列車に終点はない」が口癖。今夏、京都府を舞台にアジアで初めて開かれた世界合唱の祭典では、北部会場の実行委員長を務め、大成功に導いた。

 団員たちは大きな存在を失い、途方に暮れている。だが、山口さんの遺志と家族の願いもあって、定期演奏会は予定通り開くことにした。「ブルックナーの宗教曲集から」「混声合唱組曲・水のいのち」「世界のうためぐり」の3ステージで、合わせて18曲を発表する。指揮は山口さんに代わって、六人部コーラスの指揮をする塩見正仁さんと淑徳高校合唱部で指揮をする桐村操さんの団員2人がする。ロビーには遺影を飾る。
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 本番を控えた15日夜の練習では、山口さんに見守ってほしいと、遺影と花を飾って最後の調整をした。練習後には山口さんが自宅に置いていた詩集を集まった団員に紹介した。「私のお墓の前で泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風に千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています」と団員がつぶやくように読み上げ、目を潤ませた。

 同合唱団の前田竹司団長は「心が広く温かい人柄で、合唱にかける情熱はすごいものでした。先生の功績を思うとき責任の重さを身にしみて感じますが、歌を友として精いっぱい頑張っていきたい」。事務局を務める盛岡信子さんは「30年にわたって共に歩み、歌う喜びを教わり、家庭的な合唱団を育てていただいた。悲しみを乗り越えて、より良い音楽を聞かせていくのが私たちの使命」。綾部市から練習に通う篠原憲二さんは「これほど合唱の楽しみ方を教えてくれた人はいないでしょう。亨先生が多くの人にまかれた合唱哲学を受け継いでいきたい」と、それぞれ振り返っていた。


写真上:昨年の定期演奏会で指揮をする山口さん
写真下:本番を控え最後の調整をする団員たち。ピアノには山口さんの遺影を飾った

    

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