両丹日日新聞7月30日のニュース
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漆を多角的に科学 全国の職人、研究者集い夜久野で研究発表討論会

 漆の性質や使い方などを科学的に見つめ研究する「漆を科学する会」(会長・宮腰哲雄明治大学教授)の第21回研究発表討論会が、29、30両日にわたり夜久野町内で開かれた。地元の丹波漆生産組合も発表を行い、全国からの参加者と意見交換した。

 古くから日本人は漆を塗料、接着剤として上手に使ってきた。縄文時代の古墳から漆膜が出てくるなど優れた耐性を持っていることが知られているが、なぜこれほど長持ちするのか、仕組みは分かっていない。ほかにも漆には不思議な面がたくさんあり、新たな可能性も秘めている。そこで漆を採集している人、塗研究発表討論会っている人や大学・国公立研究機関、企業人らが研究、情報交換を目的に集まったのが、「漆を科学する会」。全国に約100人の会員がいる。

 今回の研究発表討論会は額田の夜久野ふれあいプラザで開会し、初めに町木と漆の館の高橋治子さんと丹波漆生産組合の岡本嘉明さんが、地元での漆関係者の活動概要を発表。続いて金沢工業大学の小川俊夫教授が「漆の抗菌性」と題して発表した。

 昔から漆には殺菌効果がある−として、漆塗りの重箱などが重用されてきたが、これが実際に証明できるのかを実験した。その結果、漆膜は大腸菌群に対して十分な効果が認められたが、カビには抗菌性が認められなかったという。また大腸菌群への抗菌効果も、漆膜に接している部分のみだといい、「漆器に入れておくだけで安心」とはならないが、これからの研究による応用の広がりに期待を持たせた。

 この後、参加者たちは町内の丹波漆採取地や木と漆の館を見学して回った。

 2日目の30日も、午前9時から同プラザで2組の発表が続いた。1組目は京都市産業技術研究所員らで、「漆採取方法の検討−中国式・台湾式の試み」と題して報告した。日本産の漆は生産量が少なく、市場で手に入るのはほとんどが中国産。しかし日本産は中国産より粘度が低く透明性が良い。乾燥後の膜の締まりも良い。そこで日本産漆を多くとれないかと、丹波漆生産組合の協力を得て、台湾方式、中国方式の採取と日本方式の比較実証を行った。

 一昨年に中国式と日本式、昨年に台湾式と日本式を実証。中国、台湾式は作業が楽だが、台湾式は日本の半分しか採取できず、中国式も少なかった。質の面でも日本式の方が良かったという。

 もう1組は奈良市の元興寺文化財研究所員らが「出土漆製品の保存処理と塗膜分析」と題して発表をした。


写真:研究者の発表に参加者から次々と質問が飛び出し、応答が続く


三和の特養ホーム「みわの里」ほぼ完成 8月9日に完工式、9月2日から受け入れ開始


 三和町友渕で建設が進んでいた特別養護老人ホーム「みわの里」が、ほぼ完成した。8月9日に完工式を行い、9月2日から入所者の受け入れを始める。町民が長く求めていた念願の施設。これで合併を前に福天1市3町にそれぞれ特養ホームがそろう。

「みわの里」 地元の高杉、友渕両地区が1万7300平方mの土地を町に無償貸与し、町が運営法人の社会福祉法人清和会みわ(清水葵理事長)に無償貸与する形で実現を図った。

 施設定員は特養50人▽グループホーム9人▽ショートステイ10人▽デイサービス20人。施設規模は本館となる特養部分が約3890平方mで、別館のグループホーム「つどいの館」は約340平方mの広さがある。

 特養はユニットケア方式を採用し、すべて個室になっていて、10室で1つの棟を作る。各棟に食堂と浴室、3つのトイレがあり、食堂は棟の中央に配置。キッチンや水屋も備えて家庭的な雰囲気を作り出し、みんなが顔を合わせて食事をする。個室には自宅で使っていた小さな家具を持ち込め、自分の家にいた時と近い雰囲気を出せるという。

 このほか、寝たままで入浴できるストレッチャーバスもある。デイサービスでは大きな浴槽や専用車いすで入浴できるチェアバスなどを備えている。

 地元との交流にも力を入れていくことにしており、地域交流ホールは施設・地域の合同行事だけでなく、地域のボランティアらに会議場などとしても貸し出す。また交流用のゲートボール場も整備した。

 総合施設長にはベテランの右近正三さんが就任。8月1日から職員65人がそろい、受け入れへ向けた研修に入り、中旬から入所契約を開始。9月2日から受け入れていく。


写真:特養、グループホームなどが、ほぼ出来上がった

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