両丹日日新聞6月2日のニュース
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「水位上昇早く何もできず」 台風23号水害被災住民らが回答
 情報伝達、避難行動を舞鶴高専教授らが大江など3市町の人に聞き取り調査


 「水位上昇が早く、何もできなかった」。大江町など由良川流域に多大な被害をもたらした昨秋の台風23号での避難に関する住民への聞き取り調査で、浸水した家屋の人たちの多くがこう答えた。由良川に詳しい舞鶴工業高等専門学校建設システム工学科の川合茂教授(57)らが、このほど水害状況をまとめた冊子「2004年台風23号(10月20日)による由良川水害について」を作成。掲載されている住民の回答冊子では出水の特徴なども載せているから、当時、水位上昇が異常なまでに早かった状況が改めて浮き彫りになった。

 調査は昨年11月中旬から12月上旬にかけて、川合教授と同校専攻科生2人が福知山市62人、大江町50人、舞鶴市57人の計169人に聞いた。項目としては(1)避難情報を知っていたか(2)避難したかどうか(3)浸水に対する対策(行動)の3点を主に聞いた。

 避難情報の周知率は福知山市が最も高く90%、次いで大江町72%、舞鶴市は44%だった。広報車によって情報発信した福知山市では、浸水被害は比較的少なく、広報車での巡回が何回もできたが、風雨の音で放送内容が聞き取れなかったこともあった。大江町の場合は、町内全域で停電したことなどで、有線放送の避難指示を聞けなかったり、家財を2階に上げるなどしていて情報を得られなかったことも考えられる−としている。

 洪水時の住民の対応で、「水が来るまでに何をしたか」の問いでは浸水家屋が多かった大江町、舞鶴市ともに「(家財を上げたかったが)水位上昇が早く、何もできなかった」が一番多く、いずれもおよそ半数の人たちが答えている。次に多かったのが「家財などを2階に上げた」で、両者を合わせると、大江町、舞鶴市とも回答者の80%が、家財などを浸水から守るための行動を起こした、起こしたかったと回答している。

 また自宅避難(2階、屋根に上がるなど)率については舞鶴市が50%、大江町は44%、福知山市は3%。舞鶴市、大江町では浸水速度が速く、逃げられなかったという理由のほか、最初から自宅避難する意識を持っていた人も多かったという。

 被災住民の意見として、大江町では「早く情報がほしかった」という人が圧倒的に多かった。町内では有線放送で情報伝達が行われていたが、役場が水没して停止。川合教授は、住民たちは水位上昇の早さと浸水位予測に関する情報を求めていたのでは−と推測している。このほか、もっと多くの場所に避難所を設置してほしいという要望もあった。

 冊子は浸水被害状況や今回の出水の特徴なども写真、グラフを付けて掲載。資料用として150部作った。


写真:冊子では出水の特徴なども載せている


子らに安全な地元野菜を−福知山市が学校給食に6品目指定導入

 米飯給食に福知山産コシヒカリを使うなど、学校給食に地元の農産物を積極的に採り入れている福知山市は、今年度新たに地場野菜6品目を指定して2日の給食から導入を始めた。生産農家のほ場には、給食野菜を栽培するPR用の看板を立てている。

 市は、地元で取れた新鮮で安全な野菜を、給食を通じて子どもたちに提供し、地場野菜への理解を深めてもらう一方、需要の拡大を図る「地産地消」の取り組みを進めている。すでに昨年度から米飯給食に福<b></b>給食野菜の栽培農家をアピールする看板を立てている知山産のコシヒカリを使っている。今年度はキュウリ、ジャガイモ、ナス、キャベツ、ハクサイ、ダイコンの6品目を指定し、学校給食に使う。

 これらの野菜は、市公設卸売市場(厚中問屋町)に野菜を出荷する地場野菜生産出荷組合連絡協議会(菊田哲夫会長)から供給を受ける。同協議会の生産者25人がこれら6品目を150aで栽培する。

 これまで給食用の野菜は、地場産を含め国内のどこで栽培されたものか、納入まで分からなかった。生産者を特定することで栽培履歴が分かり、生産者の顔が分かる安全・安心な地場野菜を子どもたちに提供できる。また、生産者は市場の価格変動に左右されず生産できるメリットがある。

 同協議会は「地産地消の学校給食」をアピールする立て看板を栽培ほ場に設置している。生産者からは「子どもたちが直接口にするものだから安全に気を使う」「やりがいがある」といった声が上がっているという。

 市学校給食センターは現在、市内18小学校と1中学校に毎日約4500食を供給している。03年度の年間野菜使用量は約10888Cで、そのうちの地場産は約18%(重量比)となっている。

 市では、2日の給食でキュウリを使用したのを皮切りに、年度を通じて出来るだけ旬の地場野菜が使えるよう献立も工夫して使用量を増やしていきたいとしている。


写真:給食野菜の栽培農家をアピールする看板を立てている(写真はキュウリを栽培する白波瀬恭一さんのハウス)


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