両丹日日新聞4月27日のニュース
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JR福知山線脱線事故で惨状の中 懸命の救援 対向電車に乗り合わせた陸自隊員

 准看護師の資格を持つ陸上自衛隊福知山駐屯地の隊員が25日朝、兵庫県尼崎市でJR福知山線の快速電車が脱線、マンションに衝突した現場近くに偶然居合わせ、救命医や看護師らで急きょ作られた救命救急センターチームの一員となり、救護活動に参加していたことが分かった。

惨状を語る石井3曹 隊員は第7普通科連隊本部管理中隊・衛生小隊の石井育夫3曹(28)。石井3曹は、救急業務を主に担当しており、救命救急に関係する人らを対象にした救命救急士会の勉強会に定期的に参加している。5年前からは休日を利用して、実家のある大阪市内の病院の救命センターに実習生として入り、実践を通じて知識と技術を学んでいる。

 代休の25日朝、事故を起こした快速電車に対向する電車=尼崎駅発=に乗り伊丹に向かっていたが、事故現場から約300mほど手前で電車が止まり、下車させられた。事故のことを知り現場を確認しに行った。尋常じゃない。ひと目で分かった。

 パニックにならないように、周りを見渡し、自分に出来ることがないかを考えた。多数の負傷者がいたため応急手当てを始めた。状態確認、止血など「1人につき1分もかけられないほどの状況でした。20人か30人か。何人だったか覚えていません」。

 刻々と過ぎる時間に歯止めがほしかった。限界を感じていたころ、実習生として入っている病院の救急医らで作る救命救急センターチームと出会い、医師の依頼を受けチームに加わった。「助けたい」の気持ちを、より現実的に、しっかり持つことができた。

 現場の状況はひどく「スクラップの中から人を探すようなものだった」。マンションに巻きついた2両目が先頭だと思っていたが、JR関係者の話を聞くと1両目ではなく、マンション1階の立体駐車場の中に押し込まれた状態でつぶれた物体が1両目だったと分かったときは、ぼう然とした。座席らしきものが飛び出し、車体も原型をとどめていなかった。

 これまでにも電車内で倒れた人の応急手当てや交通事故現場での初期手当てなどを経験しているが、「もう助からないという人も目の当たりにしました。これまで見てきた中で一番ひどい状況でした」と、痛む胸のうちを語った。


写真:惨状を語る石井3曹


地元の人ら参拝し無火災を祈る 上松の摩耶菩薩の祠で例祭

無火災の祈願をする参拝者 福知山市の上松自治会(吉見清志郎会長)は27日、地元の山中にある摩耶十一面観世音菩薩の祠(ほこら)で、例祭を営んだ。この祠は、長田野工業団地の造成現場から火が燃え広がった71年の林野火災時に、村を守ったとして信仰を集めており、地元の人ら大勢が参拝し、無火災を祈った。

 この火災は71年4月27日午前10時ごろ、長田野工業団地造成現場で、伐採した木を焼いていた火が近くの雑草に燃え移って起きた。兵庫県からも消火の応援を受けるなど計1161人が懸命に消火作業を続けたが、水利が悪く難航し、夕方になってようやく鎮火した。

 焼けた面積は38ヘクタール。火は一時、下六人部小学校やふもとの民家近くまで迫ったが、この祠を境に燃え広がらず、同地区は被災から免れた。これを機に地区の守り神として信仰が厚くなり、その後、例祭が始まった。14年前には老朽化した祠の建て替えもした。

 例祭には地元住民、議員や長田野企業、社会福祉施設の福知山学園、ほほえみの里の関係者ら約80人が参列。願来寺の山下真弘住職の読経のなか、参列者が次々に参拝し、地区の安泰を祈願した。


写真:無火災の祈願をする参拝者


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