両丹日日新聞12月28日のニュース
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由良川治水30年計画を10年に短縮 河守の輪中堤は09年度までに

輪中堤の整備が進む大江町千原地区 台風23号で由良川沿いの地域に大きな被害が出たことを受け、国土交通省福知山河川国道事務所は27日、緊急の治水整備などを盛り込んだ「由良川下流部緊急水防災対策」を今年度から実施する計画を発表した。昨年8月に策定し、30年をめどに進める予定だった「由良川水系河川整備計画」の各治水事業の期間を10年間に短縮し、役場が浸水した大江町河守など被害が大きかった地区では、09年度完成を目標に、輪中堤整備を進めていく。総事業費は約500億円。

 計画によると、整備区間は由良川河口から福知山市筈巻橋下流までの31・8km。総合的な防災対策の検討、実施のため、既設の「水防災対策協議会」に自治体の防災担当部局、道路部局担当者を加えて「由良川下流部緊急水防災対策協議会」(仮称)に発展させ、来年の出水期(6月−10月)までに市町民が電話で河川の水位や雨量を問い合わせできる電話応答装置を設ける。このほか河川情報表示板の増設、内容の充実を計画。市町が洪水ハザードマップを作る際のデータ提供の支援をしていく。

 堤防や輪中堤などの整備個所は18カ所で、09年度までに大江町河守、千原、舞鶴市志高、水間の4地区で住宅、公共施設などを堤防で囲む輪中堤を完成させる。堤防は昭和28年(1953年)の台風13号の水害規模を想定した高さ。また宅地のかさ上げや切土造成などによる緊急避難所の整備もする。

 このほかの14カ所については14年度までに各地域の合意を得ながら整備。併せて緊急避難路やアクセス道路などを整え、洪水時による孤立を防ぐ。

 事業費はハード整備に490億円、ソフト整備に10億円を充てる。


写真:輪中堤の整備が進む大江町千原地区


台風被災地 不安抱えたまま年越し 自宅改修もままならず

 台風23号の被害から2カ月余りが過ぎた。復興が進み、徐々に落ち着きを取り戻しているが、今も家に戻れないまま公営住宅や親類宅などに身を寄せる人たちは、将来への不安を抱えながら新しい年を迎えようとしている。

 台風23号で福知山市や大江町は大災害に見舞われた。由良川がはんらんし、各地で床上・床下浸水が相次いだ。道路や河川、山は復旧作業が手付かずのままのところが多く、いまだそのつめ跡を残す。

大江町新町地区 大江町は1953年の”28災”以来の大きな被害となった。死者2人を数え、建物は半壊51棟、一部損壊22棟、床上・床下浸水454棟で全町内に及ぶ。蓼原や新町、尾藤口、南有路などはとくにひどかった。

 町によると、今も5世帯が家に戻れず、仮住まいの府営住宅で暮らすほか、一人暮らしのお年寄りら高齢者4人が、被災家屋での生活をあきらめ、町内の福祉施設などに入居している。ともに年内に自宅に戻れる状況にはない。

 被災地は、自宅前や道路上に積み上げられた畳や家財道具などの災害ごみは、すべて片付けられて、外観上は以前の姿にほぼ戻った。しかし家の中は、被災した当時のままのところが多い。

 床下の泥はきれいに取り除かれているが、床板を上げたままや、土壁が落ちたままの家も少なくない。冬場は床下が乾かず、暖かくなる来年まで改修を見送る家もある。

 大半が床上浸水した新町地区の岡本敦朗区長は「いまさら多額の借金を抱えて自宅を改修できない高齢者世帯や、すでに住宅ローンを抱えて2重の返済は無理という若い世帯もある。本当の意味でみなさんが元通りの生活に戻るには何年もの年月がかかると思います」と話す。

 町内では、自宅に住めても1階は使えず、新しい年を2階で迎える被災世帯もある。

 一方、福知山市の下川口地区などでも多くの家が床上・床下浸水した。被災家庭の多くで以前の生活を取り戻す努力が続いている。しかし大江町と同様に厳しい現実がある。


写真:町並みは以前の姿にほぼ戻ったが、家の中は1階の床板を上げたままのところが多い(新町地区で、27日写す)


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