両丹日日新聞11月20日のニュース
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台風禍1カ月 「自宅で眠りたい」 土砂流入の住宅でまだ続く泥落とし作業

 台風23号が福天地方を襲ってから1カ月。わが家に帰りたくても、まだかなわない家族もいる。裏山が崩れて家の中に大量の土砂が流れ込んだ福知山市の高橋初枝さん(75)ら家族3人は、近くの親族の家に仮住まいしながら、自宅で眠れる日々を心待ちにしている。

土砂が流れ込んだ 10月20日午後7時30分ごろ、母屋の居間でコタツにあたっていた。突然「ドーン」という音がし、「バリバリバリッ」と何かを突き破るような轟音(ごうおん)を耳にした。

 真っ黒なものが見えたため、とっさに「クマが入ってきた!」と錯覚したという。山側の台所へ行くと大量の土砂が流入。仏壇の位牌を持って逃げようと慌てて仏間へ飛び込んだが、第2波の土砂が一気に押し寄せ、あっという間に高橋さんのひざ上まで埋めた。立っているのが精いっぱい。「何が何だか分からんかった」。隣の離れから駆けつけた息子夫婦に引きずりだしてもらった。

 翌朝、わが家を見てぼうぜんとした。築40年近くになる2階建ての母屋の1階と平屋の離れは、泥土、根株、石などが覆い尽くしているだけでなく、戸を突き破って屋外の道路にまで飛び出していた。

 3週間近くかかって親族、近所の人たちが土砂を取り除いた。現在、天気のよい日は仮住まいの親族宅から自宅までバスで通い、泥がべっとりとついた家具類や布団、衣類などの泥落としをする日々が続く。手はかさかさであかぎれている。夜眠れないこともあり、薬で無理やり睡眠を取ることも。

冷風が吹き抜ける 作業する小屋から見る自宅は、床板がはずされ、玄関や部屋の戸がなくなり、冷えた風が吹き抜けている。「この年になって、なんでこんな目に遭わなあかんのやろ」。補修に必要な多額の工事費を思うとため息が出る。行政の手厚い補助を望む。

 被災者生活再建支援法による調査が行われたり、山崩れの心配などがあったりするため、補修工事にはまだかかれていない。しかし、休みの日には息子夫婦らと一緒に泥落とし作業などをして、少しずつ、一歩ずつ、復旧へ向かっている。


写真上:土砂が流れ込んだ高橋さん宅(10月21日、福知山市撮影)
写真下:土砂は取り除いたが、冷風が吹き抜ける(11月19日写す)

サケの採卵、人工授精始まる 牧川生産組合ふ化場

卵を取り出す 福知山市下小田の牧川養殖漁業生産組合(衣川務組合長)で19日、由良川で捕獲されたサケの採卵と人工授精が行われ、約7300粒を受精させた。

 今秋は台風23号の影響でサケがそ上するか心配されたが、9日に市内牧川に仕切り網を設けたところ、19日までに雌16匹と雄70匹が入った。この日はその中の雌2匹から採卵した。

 いけすから生きたサケを捕獲し、ふ化場で衣川組合長が雌の腹を切り裂くとオレンジ色の卵が受け皿に流れ落ちた。そこに雄の精子を搾り出して振りかけた。

 衣川組合長によると、受精卵は水温12度の水の中に置くと20日で発眼し、30〜40日でふ化するという。作業は府の委託事業で、今年度は地元産30万粒、府外産10万粒の計40万粒をふ化させる計画。来年春には体長数cmに育った稚魚を由良川に放す。


写真:雌のサケから卵を取り出す衣川組合長

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