両丹日日新聞11月18日のニュース
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検証台風23号 避難指示はどう伝わったか

 台風23号は大江町や福知山市など府北部に大きな被害をもたらした。同市内では由良川音無瀬橋の水位の上昇が早く、旧市街地に避難指示が出たが、避難対象者1万5833人に対して実際に指定施設に避難したのは3328人。わずか2割だった。情報が伝わってこなかったから、という声は多い。だが、市内では自主防災組織を通じて、避難指示がしっかり伝達されていた自治会もあった。これを教訓に自主防災組織の大切さを改めて見直したい。

自主防災組織が動いた内記5丁目
 自主防災組織は、災害から地域を守るため、自治会などを母体に、住民が自発的に結成し運営するもので、防災用具などの購入の際には市から助成金が出る。しかし、市内の212自治会のうち、組織を立避難所の市武道館に集まった人たちち上げているのは13自治会にとどまり、関心は低い。

 台風23号襲来時では、長時間の降雨で由良川の水位が上昇。10月20日午後5時55分、音無瀬橋の水位が危険水位の5mを突破し、旧市街地に避難勧告が出た。その後水位は6・5mを超え、今度は一段階上の避難指示に変わった。

 市では市民に勧告、指示を伝えるため広報車を出して呼びかけたが、当時は激しい風雨の音にかき消され、「聞こえなかった」という人が多い。サイレンが鳴った時も「なぜ鳴っているのか分からなかった」。

マニュアル、訓練通りに
 このような状況の中、旧市街地の中心部、内記5丁目自治会では自主防災組織が動いた。勧告が出た時点で、市からの通報を受けた自治会長は、マニュアル通り、組織の会長や自治会役員らと手分けして各組長宅に出向き、避難情報を告げ、知らせを受けた組長はすぐさま各戸に伝えた。

 同自治会では2001年4月に自主防災組織ができた。翌年、のこぎりや水タンクなど25品目の防災用具をそろえ、水害などの災害が起きた時の情報伝達、避難誘導の仕方などについてもマニュアル化し、訓練を積んできた。

 同組織会長の中川勇さん(68)は「堤防がきれていたら大変なことになるところだった。(町内の)みなさんにはスムーズに情報伝達ができ、それに従ってもらった。これは日ごろの訓練のおかげだと思う。町内には独居老人が多いので、家を訪ねることで安心もしてもらえた。今後も非常時にはしっかりと情報を伝えていきたい」と話す。

 市では今回の台風で、避難勧告、指示が該当地区の市民全員には伝わっていなかった点などを踏まえ、市地域防災計画(99年3月策定)の見直しを図ることにしている。計画の中には自主防災組織についてもうたわれており、今後は組織立ち上げを推進するため、自治会長に積極的に要請するほか、福知山消防署の防災地域リーダー養成講座にも職員を派遣し、組織の必要性を説明。広報紙でも呼びかけるという。

 芦田昭・市総務部長(58)は「災害が起きた場合、行政だけでは情報が伝えきれない場合もあるので、これまで結成されていない自治会は、ぜひ自主防災組織を立ち上げていただきたい」と話す。すでに結成しているが、情報伝達などが機能していない組織については「訓練をしていただき、万が一に備えてほしい。住民が少ないところは複数の自治会でつくってもらうのもいい」と呼びかける。

 自主防災組織の立ち上げは、防災面だけにとどまらず、防犯運動やふれあい活動といった地域のコミュニティーづくりなどの波及効果も期待できる。

 大きな災害が発生した時は、行政機関による指示、誘導などが大変重要だが、行政だけに頼らず、自分たちの命、財産は自分たちで守るという意識と行動力を普段から身につけておくことが大切だ。(島田純吾記者)


写真:避難所の市武道館に集まった人たち(10月20日午後7時10分ごろ)


きょうと北部演劇まつり 福知山などの3団体とプロの人形劇団が出演

 第8回きょうと北部児童青少年演劇まつり(京都児童青少年演劇協会主催、両丹日日新聞社など後援)が21日午後1時から、福知山市民会館3階で開かれる。福知山、舞鶴両市の演劇団体と愛知県のプロの「さるかにむかし」を発表する淑徳高校の生徒たち人形劇団ちんどんが出演する。

21日に市民会館で
 同まつりは、児童や青少年の芸術文化の振興を狙いに毎年、北部と南部の2会場で開いている。北部会場では福知山淑徳高校の人形劇講座の受講生、舞鶴市のグループ・ふしぎの国、福知山市のグループ・惇明ともだちやが出演し、民話を題材にした人形劇などを発表する。

 人形劇団ちんどんは、94年に創立した人形劇団で、数々の人形劇や腹話術を含めた講習会、子どもの文化についての講演会など幅広く活動している。当日は、幼児から小学生向けの作品「一寸法師」を発表する。

 入場料は前売り500円、当日700円。チケットは、電話(22)1848の渡邊さんか、電話(23)5928の柏井さん。


写真:「さるかにむかし」を発表する淑徳高校の生徒たちは、手作り人形で最後の練習に励んでいる

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