両丹日日新聞10月27日のニュース
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WEB速報 BSE疑われた牛は「陰性」
 福知山市食肉センターで処理され、BSE(牛海綿状脳症)の疑陽性反応が出た牛については、東京・国立感染症研究所で検体の確認検査を行ったところ、陰性だったことが27日分かった。処理された牛は三重県で飼育された雌のホルスタインだった[27日17:30]=23日のニュース参照

農林水産被害は44億円 福知山、大江で小豆など冠水

 台風23号の災害発生から、27日でちょうど一週間。大きな被害に見舞われた大江町や福知山市では、これまでに電気や水道、電話はすべての地域で復旧し、少しずつ落ち着きを取り戻しつつある。道路が寸断された北原地区は自衛隊が緊急輸送路を確保し、孤立状態を解消した。しかし、一部地域ではいまも避難所生活を送る人がいるほか、町内の小中学校では被災して学校を休んでいる児童・生徒もいて、元の生活を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 大江町災害対策本部によると、26日現在、有路下地区で3世帯3人が避難所生活を送っているほか、同日になって橋谷地区で1世帯1人が自宅前の道が崩れかけたため避難所に入った。北原地区は、地区に通じる町道2本のうち、仏性寺側からの町道修復に当たっていた自衛隊が26日に作業を完了し、緊急輸送路を確保した。ただ、一般車両は通行出来ない。

 府は26日、台風23号による府内の農林水産関係の被害状況を発表した。被害総額は畑の冠水や農道の損壊など計44億8300万円に上り、被害額、個所ともまだ増える見込みという。

冠水で泥まみれに 府農林水産部によると、農作物関係被害は9億1100万円。主なものでは福知山市、大江町などで小豆が冠水し、計90ヘクタールが被害にあった。また福知山、綾部市などで茶畑26ヘクタールが冠水。このほか黒大豆100ヘクタール、カブラ34ヘクタールなどの被害となっている。

 農業施設被害は4億8700万円。舞鶴市などでビニールハウスの倒壊、破損が1700棟、福知山市、大江町などで茶工場8棟が浸水被害を受けた。農地、農道、水路などの農業基盤施設被害は14億6900万円で、府中丹広域振興局管内では730カ所。林地崩壊は8億3100万円、林道は1億9300万円で、同局管内では40カ所が林地被害を受けた。農業全体の被害額は28億6700万円、林業関係は11億1300万円となっている。

 水産関係では定置網流失、破損43カ所、漁船転覆、損傷110隻などで、被害総額は5億300万円にのぼる。

 現在、府では被害各所に職員を派遣し、実態調査にあたっているが、今後被害個所、額とも増え、「被害額については過去最大になることも予想される」という。

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*農林水産被害100億円超す その後調査が進み、29日までの段階で被害総額は100億円を超えることが分かった(10月30日付ニュース)
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キャベツ、ハクサイなど高騰 市公設市場で入荷量3分の1に

 葉物を中心に野菜が急騰している。全国的な台風の被害によって出荷量が激減しているのが最大の要因で、市場での卸値で9月初旬に比べて2、3倍になっている。福知山市公設地方卸売市場の福知山合同青果では「台風23号による被害が余りにも大きく、入荷している野菜は通常の3分の1ほど。品薄の状態は年内に収まりそうにない」と、深刻な表情をみせている。

 福天地方では、夏から連続する台風で、強風にあおられビニールハウスが倒れるなどの被害が出ていたが、今回の台風23号では大江町のほか、福知山市戸田、池部、中、牧など川沿いの膨大な面積の田畑が冠水した。葉物野菜が泥まみれになり、全滅した地域も多い。

 このため、同市場では食卓に欠かせないキャベツ、ダイコン、ハクサイ、ホウレンソウ、ネギなどの入荷量が激減。同市場の26日の市況では、キャベツが1kg当たり高値394円、安値236円と、昨年同期の約10倍、長大根が高値347円、安値32円と昨年同期の約5倍などとなっている。


写真:収穫を控えた大豆も冠水で泥まみれになった(市内中)


支えあう人々の強さ、温かさ 大江町でボランティアに参加

 台風23号の爪跡が大きく残る大江町では、家屋にまで及んだ水そのものは引いたものの、流れ込んだ泥や使い物にならなくなった家財が町内に残る。連日作業を続ける住民にボランティアらも加わり、少しずつ復旧へと歩み始めている。被災後初の日曜日の24日、ボランティアの1人として参加した。(足立秀高記者)

 午前9時ごろ、北近畿タンゴ鉄道・大江駅裏の町職員駐車場に開設したボランティアセンターで登録し、ボランティアを示す青い名札を受け取った。センターからの要請を受け、京都市中京区、高校非常勤講師の女性(24)とチームを組み浸水被害がひどかった地区の一つ、蓼原の沖田正晴さん(51)宅に向かった。

 幹線道路の国道175号は、通行可能で多くの車が行きかうものの、住民がよく使う民家のある路地に入ると水をいっぱいに含んだ泥が目に付く。深いところでは30cmほどあり、手がつけられていない場所もある。復旧への道のりの遠さを感じた。

 沖田さん宅は国道沿いにあり、午後6時ごろから停電状態で明かりがなく、水位がピークだったときには1階部分が丸々つかり、見えたものは少し高い場所にある線路だけ。あとは一面、水だった。「情報が得られず水位がどのくらいあったのか分からない。ただ、水の増え方が尋常でなく、逃げる時間もなかった」と沖田さん。外に逃げることもできず2階に避難し、隣人たちと窓越しで励ましあいながら不安な一夜を明かしたという。

泥が町内を覆いつくす 沖田さんから要望があった作業は泥の撤去だった。庭、排水路、花壇、外はすべてに泥が覆いかぶさっていた。先に訪れていた天理教のボランティアの人らと協力してスコップを握ったものの、泥は砂利や石などが混ざった状態で、鉄製のスコップが入らないこともしばしば。水を含んでいるので予想以上に重くバケツに入れて運ぶだけでも重労働。一輪車もタイヤを取られて進みにくい。一緒にチームを組んでいた女性は「こんなに重いとは思わなかった。女の人や高齢者にはきつい」と話した。

 沖田さんの長男、和也さん(19)と一緒に作業をすることになり、いろんな話をした。車が水につかって使えず、国道175号が通行可能になっても買い出しにいけない。「食事はおにぎりかカップめん。たまに食べるといいけど毎日だと…。きのう友だちが持ってきてくれたハンバーガーがすごくおいしかった」。住民の口から直接聴く言葉は心に響く。

 台風被害で仕事ができなくなったとの声もよく耳にした。「納品すべき品が作れない」「商品が全部使いものにならない」と力なく語る。台風は住民の生活そのものを奪った。

 24日は災害から5日目だった。日夜復旧作業を続ける住民の顔には明らかに疲れが見える。しかし、自宅だけでなく、被災住民が近所の家の救援に走る場面もよく見かけた。泥につかった車を掛け声をあげてみんなで押し出す。泥で重くなった家財をみんなで持ち上げる。子どもが頑張る姿もあった。ボランティアの輪も広がる。

 午後3時、作業を終え撤収するとき、沖田さんから「手伝ってくれてほんまありがとう。これでも食べていきいな」と笑いながら、ミカンを手渡された。復旧への道のりはまだ遠く、住民の不安も消えないが、支えあう人の強さと温かさに触れた。

写真:流れ込んだ泥が町内を覆いつくす(24日写す)


市道の通行止め3カ所で解除
 福知山市は26日までに、市道生野正後寺線、樽水6号線、土師高畑線の通行止めを解除した。また、新たに中佐々木喜多線・喜多地内、口榎原5号線・口榎原地内で通行できないことが分かった。通行止めはまだ34カ所ある。
 その他は前日を参照。

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