両丹日日新聞10月22日のニュース
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大江町復興のめど立たず 安否確認できない地区も

 猛威を振るった台風23号は、福天地方に大きな被害をもたらし、被災から2晩が過ぎた22日も、一部地域で水道や電気などライフラインが復旧せず、市民や町民の生活に大きな影響を及ぼしている。中でも死者2人を出すなどこの50年間で最も大きな被害に見舞われた大江町では、町役場が水につかり機能がマヒするなど、いまだ町の復興にまったくめどがたたない状況だ。

役場−ようやく電話回線確保

 大江町では、河守地区でお年寄り2人が水に浸かった家屋から発見された。町内各所で家屋の浸水が発生し、電気や水道などが止まり、22日も不安を抱えたまま朝を迎えた。

家財を運び出す住民 同町は、庁舎1階が冠水したため2階視聴覚室に町災害対策本部を移して対応している。一般電話回線が不通になったため緊急に臨時の20回線を設けて通信を確保。各課業務も2階に移し、戸籍謄本や住民票の発行などは22日朝から再開している。

 しかし、庁内の1階がカウンター部分まで一気に水に浸かり、机やロッカーの中の書類を2階に持ち上げることが出来なかったため、業務はほぼマヒしている。放送施設は使えず、町民への連絡手段はいまのところない状態。このため旧村単位で公民館などに対策本部の支部を設け、支部長から各区長を通じて町民に連絡事項を伝えている。

 町が21日午後5時現在でまとめた被害状況によると、家屋の床上浸水が約360戸、床下浸水が約90戸。一時は事業所を含め町内2300戸で停電したが、22日午前9時30分現在、由良川右岸など一部地域を残して復旧し、水道も中央簡易水道の一部地域を除き回復している。

 ただ、橋谷など一部の山間地域は、道路が寸断されて電話連絡さえ取れない状態で、住民の安否が確認できないという。小中学校は22日も休校にし、今のところ25日は授業を行う予定でいる。

 大きな被害に見舞われた地区では、22日も朝から後片付けに追われている。浸水で使えなくなった電化製品や家具、畳など家財道具が自宅前や空き地に山積み。以前の生活に戻れるめどが立たない中で部屋の清掃などにあたっている。

おにぎり作り支えあう住民ら−女性らが炊き出し

 また、被災しなかった住民は被災住民の支援に取り組んでいる。河守地区では清水区と同区公民館婦人部が、地元と新町区の被災住民らへの炊き出しをしている。女性約20人が公会堂で21日早朝からおにぎりを作り、被災家庭や地域に届けている。女性たちは「少しでも被災された人たちの助けになれば」と頑張っていた。


写真:水に浸かった家財を運び出す住民たち(河守で)被災住民のため、おにぎり作りに精を出す婦人たち(河守で)


天座1区で土石流が民家を直撃 車は500m流される

 福知山市の北陵地域でも各地で土石流や山崩れによる被害が出ている。天座1区では、大江山のふもとから下る登尾川に沿って、土石流が幅約100m区間に押し寄せ、民家が直撃を受けるなど被災した。

自動車が流されてきた 現場付近は普段、山を下る登尾川が、雲原川に合流している。今回の台風では20日夕方から、雲原川が水位3m以上になり、はんらん。さらに、雨脚が強まるとともに山から登尾川に沿って波打つように鉄砲水が押し寄せて、付近の田畑が土や石ですべて埋めつくされた。自動車も鉄砲水で流され500m近く転げ落ちた。

 同地区の会社員、広田一憲さん(43)方では、土石で母屋と離れが1mほど埋まり、流れ込んだ土石で母屋1階の畳が浮き上がり、室内は泥だらけになった。給湯ボイラーなども流された。

 広田さんは「一時は鉄砲水が軒下までものすごい勢いでぶつかり、家が倒れるかと思いました。家族は全員避難して無事でしたが、家の中は手のつけようがありません。近所の長老の方も今までにない被害と驚いていました」と話していた。

ボランティア戸田で作業 災害センター設置し人員募る

 床上浸水などの被害が出た福知山市戸田地区で、ボランティアが住民に交じり泥のかき出しや畳出しなどをした。

 市社会福祉協議会と市社協に登録しているボランティア連絡協議会が21日、「台風23号災害ボランティアセンター」を設置。市災害対策本部の要請を受けて22日午前9時から、同地区で本格的な活動に入った。

作業をするボランティア 戸田では21日も住民が早朝から終日、民家1階部分などにたまった泥のかき出し、ぬれた畳、電化製品などの搬出作業に追われ、疲労困ぱいした様子だった。

 そういった状況の戸田で22日、同センターが地元会館前に現場本部を設置し、マスク、ゴム手袋、軍手、透明袋などを用意し、午前9時から受け付け開始。人手が足りない住宅へ約10人のボランティアを派遣し、水分を含んだ重たい畳を屋外へ運び出し、家のなかに入った泥をかきだすなどの作業をした。

 あるお年寄りは「今度の台風では一気に水がきて、たたみを2階へ上げる間もなく、20日の午後7時30分ごろには避難所に逃げました。ボランティアの人が来てくれ助かります」と話していた。

 同センターではボランティアとして参加できる住民を募っている。問い合わせは電話(23)3573の同センター本部(市社協)へ。


写真:土石流で田畑が水路に変わり、500m近く上手から自動車が流されてきた(上)通常の生活に早く戻れるようにと作業をするボランティアら

山陰線城崎方面復旧の見通し立たず 宮福線も全線運休
 
 鉄道は22日も不通区間が残っている。
 JR福知山線は福知山−篠山口間が22日午前6時57分に復旧し、大阪までつながった。山陰線の京都向きは綾部−和知間が同8時34分に復旧したが、和知−下山間はバスによる代替え輸送が続いている。福知山支社によると「きょう中の復旧を目指している」という。
 城崎向きは復旧の目途が全く立っていない状況。福知山から先へは列車は出ていない。
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮福線も宮村−喜多の盛土崩壊被害が大きく、22日始発から全線運休が続いている[22日11:30最終更新]

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