両丹日日新聞6月11日のニュース
福知山のニュースは両丹日日新聞WEB両丹で


「制定すべきでない」と町長 大江町議会で合併問う住民投票条例

 大江町議会6月定例会は11日午前9時に本会議を再開し、福知山市・三和町・夜久野町・大江町の合併可否についての住民投票を求める条例制定案が上程された。提案理由の説明を行った伊藤堯夫町長は、条例制定案に添えた意見書で「本直接請求にかかわる条例は、制定すべきでない」との自らの考えを示した。

提案理由を説明する伊藤町長 同条例制定案は、住民10人が代表を務める大江町住民投票ネットワークが本請求したのを受けて上程された。

 伊藤町長は「地方自治法や合併特例法では、住民投票を合併の可否判断に位置づけていない。町の将来にとって極めて重大な課題であり、幅広い観点から責任ある議論を行って総合的、長期的な視点で慎重に判断すべき」などとし、「決定に直接参加することを望まれる多くの住民の思いは、心情的には理解するが、代議制民主主義の基本原則にのっとり、議会で十分論議された上で議会の権限と責任で決議されなければならない」との意見書を読み上げ、自らの考えを示した。

 このあと質疑に入り、午前中に住民グループの事務局長を務める高橋進議員ら投票の実施を求める議員5人が次々に質問。「有権者の66%、3143人の方が実施を望んでいる。地方自治の中心は町民で、その意見で決めることが民主主義だ。住民の切なる思いをどう受け止めるのか」「投票は賛成、反対を問うもので、町長の意見は直接民主主義を否定するものだ」などと、実施を求めてそれぞれ町長の考えをただした。

 傍聴席には、住民グループのメンバーや町民、三和町、夜久野町の人ら約40人が詰めかけた。また町総合会館ロビーには議会内を映すテレビモニターが設置され、訪れた町民が見入っていた。

 同議案は、21日午前9時に本会議を再開し、同条例の制定を求めるグループの代表が意見陳述を行い、討論のあと採決する。


写真:提案理由の説明を行う伊藤町長


近づく福知山市長選 13日告示、20日投票 重い有権者の1票

 13日告示の福知山市長選挙は、間もなくスタートを切る。次期市長の任期は20日から2008年(平成20年)6月19日まで。この4年間の福知山のかじ取りをする市長は、1票の権利を与えられた満20歳以上(3カ月以上住所を有する)の有権者が決める。有権者の使命は、まちづくりを託される市長と同じくらい重い。

2万8千人が権利を行使せず

 前回の02年7月28日、3氏が立った市長選挙の投票率は前々回(98年7月26日)の51・71%を下回る46・3%で、過去最低を記録した。前回の有権者数は前々回より824人多い5万2519人。このうち2万8201人が投票用紙を投票箱に入れることなく、市長選を終えた。

 夏の盛りで、その日は30度を超えていた。当時の市選管の説明によると、「好天で、海水浴などのレジャーに出かけた人たちが多く、また暑さで外へ出かけるのを避けた傾向もあったのでは」と説明した。

 一方で投票したくても、できない人がいる。「また憂うつな時期がやって来ます」

 外国から福知山に移り住んで16年のある外国籍住民は、市長選や市議選など、候補者の選挙カーが地域をくまなく回る時期がやってくるたびに苦悩する。外国人であるため、地方参政権が認められていない。市民税などは納めているものの、だれにも1票を投じることができない。今選挙も静観せざるを得ない。

 「母国の投票権もなく、自分はどこの国の人間なのか分からない。住民として投票したくてもできない。これは自分の主張の場がないのと同じ。だから、有権者には大事な1票を無駄にせず、ぜひ投票してほしい歴代市長の写真」と、その人は強く訴える。

合併など山積する課題

 いま、福知山駅付近連続立体交差事業など鉄道の高架化が進んでおり、福知山の街並みは大きく変わろうとしている。

 そんななか、福知山は府北部で唯一人口が増えており、東洋経済新報社(東京都)がまとめた04年の「全都市住みよさランキング」は84位と過去最低だったものの、北近畿の他の市町と比べれば上位に立つ。また、長田野工業団地内の企業の収益が順調で、市では03年度の法人税決算額は28・7%増を見込む。

 その半面、信用金庫や農協の合併で本店が福知山からなくなり、地方振興局の再編によって中丹広域地方振興局が舞鶴に置かれるなど、沈滞ムードも漂う。さらに若者の市外流出が著しい。

 そして、福天1市3町の合併問題では、3町の住民有志が福天合併を問う住民投票を求めており、難しい局面に立っている。合併すれば、3町を含めた新しい福知山市のまちづくり、現福知山市の周辺部対策など課題は山積。もし合併しないとしても、魅力あふれるまちづくりは急務だ。

手続き大幅に簡素化「期日前投票」導入

 市選管が投票率アップに期待を寄せているのが、福知山ではこの市長選から初めて導入される「期日前投票」。不在者投票に代わるもので、手続きが大幅に簡素化される。

 不在者投票は、投票用紙に候補者名を記載したあと、2重の封筒に入れ、封筒には選挙人と不在者投票管理者が署名するなどして、同管理者が投票箱へ入れる、といった具合に手間がかかり、投票場所に行列ができることもあった。

 ところが、期日前投票は投票用紙に記載後、本人が投票箱へ入れるだけ。「投票場所が一つ増えたと考えてもらえたらいいと思います。手間が省け、スムーズになります」と市選管。身体に障害があり、字が書けない人が可能な代理投票もできる。また、病院など指定施設の入院患者らは従来通り不在者投票ができる。

 期日前投票ができる期間は、告示日の翌日から投票日の前日、今市長選では14日から19日までの午前8時30分から午後8時まで。期日前投票の実施場所は、市役所1階ロビー。

 今回の選挙は、市体育協会長の松山正治氏(66)=川北=、前市助役の高日音彦氏(64)=三俣=、前共産党中丹地区委員長の塩見卯太郎氏(61)=中=の3氏の決戦になることが濃厚。各陣営とも臨戦態勢に入っている。

 9代目の市長をだれに託すのか。有権者は1週間の選挙期間中、候補者の政策によく耳を傾け、1票を投じなければならない。


写真:歴代市長の写真が並ぶ市庁舎の一室。有権者の1票1票が9代目の市長を選ぶ

最新のニュース 以前のニュース 連載・特集記事
福知山の最新ニュースをお届けします両丹日日新聞WEB両丹