両丹日日新聞2月25日のニュース
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ふじ枝漬の宣伝用の大壺が話題に 大呂の自然休養村管理センター

 福知山市大呂、市自然休養村管理センターの玄関先で、背の高い陶器の壺(つぼ)2個が来訪者を迎えている。この壺は、1983年ごろまで販売されていたと思われる福知山名産の漬物・ふじ枝漬を宣伝する”看板壺”だったらしい。この漬物は昔から脈々と受け継がれてきた門外不出の家伝の味を昭和の中後期に商品化したもの。壺には「珍味 ふじ枝漬」と書かれていて、来訪者はこの文字を見て、ふじ枝漬を求めるという。役目が終わったことを知らずにいまでもPRし続ける壺。来訪者のちょっとした話題になっている。

ふじ枝漬宣伝用の大壺 高さ175cmの壺は、岡ノ上町にあった酒蔵に眠っていた。酒蔵が老朽化したため取り壊すことになったが、この壺は行き先がなく、巡りめぐって同センターへ。

 この名産品のルーツを探っていくと、市内の書家、達脇華苑(徳得)さん(78)の母親・駒崎ふ志さんの実家に伝わる味にたどりつく。上夜久野の庄屋の娘として明治に生まれ、福知山へ嫁いだ。そこでは漬物をこしらえ親しい人たちに贈っていたが、ある日、当時の蜷川虎三知事が福知山へ視察に訪れたとき、茶うけとして出したところ、これを絶賛。ふ志さんの名前にちなみ「ふじ枝漬」と名付け、福知山の特産品にするよう提案したという。

 その後、市内の医師・故古川太一氏(古川医院長)がこの味にほれ込み、ふ志さんの協力もあって商品化。古川氏が経営する「葵食品株式会社」で一口ナス、キュウリ、ゼンマイなどを漬け込み、千石船や折箱などに盛り、地元や綾部、京都市内でも販売していたという。

 達脇さんによれば、明治生まれのふ志さんは昭和最後の64年(1989)1月、84歳で亡くなったが、体が丈夫なうちは酒蔵へ行って漬け方などを教えていた。「とてもおいしく、私も教えてもらいましたが、なかなかその味が出せませんでした」と感慨深げに話す達脇さん。

 母親の死後、部屋を整理していたとき、出てきた数十冊のノートのなかには漬物について研究した事柄がびっしりと書き込まれていた。達脇さんは「母はきちょうめんで、研究熱心でした」と振り返る。達脇さん宅に残されていたふじ枝漬のしおりには、「牧川の水で育てたお漬けもの ひとつめしませ山里の味」とあり、加えて「福知山城主・朽木お殿様に献上し絶大の賞賛を受けました」と解説されている。

 この名産品が姿を消してから約20年。酒蔵には大きな壺2個と、漬物を漬け込んでいた壺約30個が仕舞われたままになっていた。ところが酒蔵を取り壊すことになり、処分に困った古川氏の後継、古川医院の古川泰正医院長が大呂の知人に相談。雰囲気が高まるとして豊富な自然に囲まれたセンターへ運ぶことになった。当時もおそらく目立っていたと思われるが、時代を超えて再び来訪者の注目を集めるようになった。

 センター近くには親水公園の整備が計画されている。約30個の壺も譲り受けており、何らかの方法で有効に役立てたいと施設関係者は話している。


写真:もとは岡ノ上町の酒蔵にあった大きな壺



募金活動の輪広がる 有加さんを救う運動

 重い心臓病を患う宮津市の小倉有加さん(17)を救う運動が広がりを見せている。米国で心臓移植手術が受けられるようにと、募金活動をする地元宮津市の「有加さんを救う会」には、22日までに6577万円が集まっている。福天地方でも個人や団体などが様々な形で協力し、多くの善意を届けている。救う会では「たくさん寄せていただき感謝しています」と喜んでいる。

募金活動 小倉さんは、中学1年生のときの健康診断で心臓に異常が見つかり「進行性拡張型心筋症」と診断された。心臓壁が薄くなり負担をかけると心不全を起こす病気で、心臓移植しか助かる道はないとされた。

 しかし、日本での移植手術は難しく、米国のロサンゼルスにあるUCLA病院で移植手術を受けることを決めた。渡航費や病院での手術代・治療費などに約9000万円が必要で、昨年暮れに地元の友人や知人が救う会を作り、募金活動を繰り広げている。

 福天地方でも小倉さんのことを知った多くの個人や団体、企業が協力している。個人的に金融機関を通じて救う会の募金口座にお金を振り込むほか、各種団体や事業所が独自に募金活動をして届けている。

 福知山市東羽合の京都共栄学園中学校、高校の生徒会とボランティアクラブは、16日から毎日昼休みに校内で募金箱を持って生徒に募金を呼びかけた。今週も日を決めて続けている。

 他校でも同様に有志やクラブで取り組むところがあるほか、奉仕団体が個々に募金集めをしたり、スーパーが店内に募金箱を設け買い物客から寄せられる善意を届けたりするなど運動の輪が広がっている。

 救う会は19日、米国の受け入れ病院が必要とする保証金46万ドル(約5000万円)を振り込んだ。今後は現在入院中の国立循環器病センター(大阪府)と連絡を取り本格的な渡航準備に入るという。

 救う会では「目標額9000万円を達成し、小倉さんが1日でも早く手術が受けられるようにしたい。引き続き街頭募金などを行う予定でみなさんの温かいご協力をお願いします」と呼びかけている。

 問い合わせは、午前9時から午後5時までに小田宿野公民館内、救う会事務局=電話0772(20)1005=へ。

写真:運動の輪が広がる中、救う会も休日などに街頭募金の活動を続けている


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